前回の
1.引き算から始めよう♪ ~「何を食べるか」よりも「何を食べないか」~
の続きです。
今回は、「鉄分」についてお話しします。
題して・・・
『お財布にも銀行にも十分入っていますか? ~女性必見!鉄を制するものは、健康を制す~』
【目次】
- 引き算から始めよう♪ ~「何を食べるか」よりも「何を食べないか」~
- お財布にも銀行にも十分入っていますか? ~女性必見!鉄を制するものは、健康を制す~
- 「油は太る」は時代遅れ! ~三大栄養素「脂質」を味方にする~
- まとめ
「鉄」は「頭痛」「めまい」と密接な関係があります!
今回の内容は、特に女性には、絶対読んでいただきたい大切なことです。
なぜなら、女性のほとんど(特に月経のある女性)は鉄分不足だからです。
お財布にも銀行にも十分入っていますか? ~女性必見!鉄を制するものは、健康を制す~
なんとな~く、大切ということは分かっているけど、あまり詳しくは分からない。
そんな方は、まず、「鉄分とは何ぞや?なぜ大切なのか?」ということから理解を深めましょう。
鉄分とは?
まず、鉄分は体の一体どこにあるのかというと、
- 血液中(赤血球)のヘモグロビン:60~70%
- 貯蔵鉄(肝臓、脾臓、骨髄などの内臓):30~35%
- その他:0~5%
というかたちで存在します。
ヘモグロビン

体内の鉄分の大部分を占める「ヘモグロビン」ですが、これは赤血球の一部で、鉄分とタンパク質から作られています。
役割としては、生きていくうえでとても大切な、酸素を運ぶ働きをしているので、ヘモグロビンなくして、脳も体もきちんと働くことが出来ません。
ヘモグロビンが減ってしまうと、疲れや脈拍の上昇、立ちくらみ、めまい、頭痛といった症状へと繋がると言われています。
貯蔵鉄

ヘモグロビン不足により、先ほどのような症状にならないように、体は、ヘモグロビンが減ったときのために、鉄分を「貯蔵鉄」というかたちで保管しておきます。
お金に例えると、
- ヘモグロビン → お財布のお金
- 貯蔵鉄 → 銀行に預けているお金
といった感じです。
このイメージをよく覚えておいてください。
これからの説明が理解しやすくなります。
鉄分の減る順番
さて、ここで問題になるのが、鉄分が不足したときに減る順番。
みなさん、お財布の中のお金が、一定の金額より少なくなったら、銀行からお金をおろして、財布に補充しますよね?
それと同じように、体は、「ヘモグロビン(お財布のお金)」の量を一定に保つために、「貯蔵鉄(銀行に預けているお金)」から「鉄分(お金)」を出して、「ヘモグロビン(お財布のお金)」を補充するのです。

つまり、
- 貯蔵鉄(銀行に預けているお金)
- ヘモグロビン(お財布のお金)
の順番で減っていくわけです。
みなさんが受ける健康診断など、一般的な血液検査では、このお財布のお金に当たる「ヘモグロビン」をメインに調べます。
つまり、銀行に預けているお金「貯蔵鉄」の残高を調べないわけです。
そのため、「私は、貧血なんて言われたことないわ!」という人でも、要注意!
お財布の中にお金が十分に入っていても、銀行に預けているお金が全然ない!という状態になる可能性があり、それが通常の血液検査ではわからないのです。
まさにこれが、最近よく聞く「隠れ貧血」です。
ちなみに、通常の血液検査で鉄分不足を指摘される場合は、銀行に預けているお金がなく、財布の中のお金も少ない状態で、体にとってはかなりの緊急事態です!
この状態だと、いつ「頭痛」や「めまい」など、さまざまな症状が出てもおかしくはありません。
鉄分はどんな時に使われる?
さて、次に鉄分はどんなときに使われるかというと
- 成長
- 月経
- 妊娠
- 授乳
などで使われます。
女性は毎月月経で鉄分が失われ、子供は日々、成長のために鉄分が使われるわけで、これが、男性よりも、女性や子供の方が鉄分の摂取には気をつけるべき理由です。
実際、「めまい」や「頭痛」でお悩みで、あやいろ整骨院に通院されている方も、圧倒的に女性の方が多いです。
もう1つ、鉄分の大切な役割として、体内でコラーゲンを作るのにも使われます。
鉄分が不足することで、「めまい」や「頭痛」だけでなく、シワ、シミ、タルミといった、美容の大敵を招く引き金にもなるということですね。
どうやったら鉄分をしっかりと補給できるか?
鉄分には、大きく分けて2種類あります。
- 動物性の食品に多く含まれる「ヘム鉄」
- 植物性の食品に多く含まれる「非ヘム鉄」
動物性、植物性と聞くと、なんとな〜く植物性のほうが体に良さそうなイメージがありますが、この鉄分に限っては逆です。
というのも、摂った鉄分がどれくらい効率的に使われるかという、吸収率の問題があるからです。
「ヘム鉄」が25%程度、「非ヘム鉄」で2~5%という、5倍以上の差があります。

例えば、仮にあなたが、10gの「鉄分」が含まれる食品を摂ったとします。
この「鉄分」が「ヘム鉄」であれば、この10gの「鉄分」のうち、体に残る(吸収される)のは、10gの25%、2.5g。
逆に、この「鉄分」が「非ヘム鉄」であれば、体に残る(吸収される)のは、10gの2~5%、つまり、0.2~0.5gということです。
「鉄分」のお話をすると、
「私は毎日、ほうれん草を食べて鉄分を摂ってます!」
と主張する方がいらっしゃいます。
もちろん、「鉄分」を意識して摂ろうとしている姿勢は素晴らしいです!
だけど、「本当にそれで足りていますか?」ということです。
また、「毎日ほうれん草を食べている」ということで、「自分は鉄分を十分に摂っている」と思っていても、「非ヘム鉄」だと、体に吸収される量は少ないんです。
こう考えると、動物性の商品に多く含まれる「ヘム鉄」を摂った方が、鉄分の補給には効率的です。
(もちろん、「非ヘム鉄」を摂るな!ということではありません。)
そんな動物性食品の中でも、特に多く鉄分が入っているのが、豚レバーと鳥レバー。
でも、「レバーが苦手!」という方も多くいらっしゃいますし、内臓系のお肉を摂るって、そんなにお手軽な感じではないですよね。
そんな方に、オススメなのが「煮干し」。

煮干しには、鉄分が豊富に含まれるだけじゃなく、不足しがちな、ビタミンB群、ビタミンD、カルシウム、マグネシウム、そして摂るべき脂質のオメガ3であるDHAとEPAなども入っています。
また、手軽に食べられるのがありがたいところ。
出汁として使うのもいいですが、そのまま食べられるようなものもありますので、間食やおやつ代わりにぜひ!
そのほかにも、赤身の肉や魚、あるいは貝類などにも鉄分は含まれますので、毎日ローテーションしながら、意識してどんどん摂って頂くといいと思います。
また、鉄分を含む食品を食べるときは、ビタミンCを一緒に摂ると、より吸収率が上がりますので、ビタミンCを多く含む、新鮮な緑黄色野菜などと一緒に摂ってみてください。
私の貯蔵鉄って?
ここまでくると、「私の貯蔵鉄ってどれくらいなんだろう?」って気になりますよね!
まずは、自分がどれくらい足りていないのか?
あるいは足りているのか?という現状を知ることが大切です。
その後に対策をとる流れがいいでしょう。
「鉄分は体に必要だから!」と、いきなりサプリメントなどで摂るのは、現在地が分からないままに出かけるのと同じ。
過剰な鉄分の摂取は、思わぬ不調や老化の原因にもなりますので、注意してくださいね。
何事もバランスが大切です。
「貯蔵鉄」は、内科や血液内科などで調べることができます。
「フェリチンを調べたい」と言えば分かりますので、詳細は、お近くの病院やかかりつけの先生に聞いてみてください。
もし、自分のフェリチンの値を調べたことがある方は、自分のデータをもう一度見直してみてください。
理想のフェリチンの値は、100ng/ml以上です。
でも、月経のある女性は、この値をクリアするのは、かなり難しいと思います。
なので、70ng/mlをクリアできるように意識しましょう!
そして、妊娠を希望する女性は、妊娠前に、少なくとも50ng/ml以上をクリアしましょう。
自分一人の体ですら「鉄分不足」の状態では、妊娠して、胎児の成長に必要な「鉄分」を送ることが出来ないですし、出産後も
母乳で「鉄分」をとられ、さらに「鉄分不足」に陥ってしまいます。
今日のまとめ
- 鉄分とは、大きく分けて、ヘモグロビンと貯蔵鉄の2つ。
- ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ働きをしている。
ヘモグロビンが少ないと、めまいや立ちくらみ、頭痛につながりやすい。 - 貯蔵鉄は、ヘモグロビンが一定量保てるように、保管されている鉄分。
- 貧血と診断されたことない人も、貯蔵鉄がかなり少ない「隠れ貧血」の可能性がある。
- 鉄分は、月経、妊娠、授乳で失われるため、特に女性は鉄分不足になりやすい。
- 動物性の食品に多く含まれる「ヘム鉄」の方が、鉄分補給のためには効率的。
次回のテーマは…
「油は太る」は時代遅れ! ~三大栄養素「脂質」を味方にする~
「油は太るから摂りません!」というあなた!
もしかしたら、健康を手に入れるチャンスを逃しているかも?
一言で「油」と言っても、いろんな種類があります。
次回は、「ぜひ摂っていただきたい油」をご紹介いたします。
お電話ありがとうございます、
あやいろ整骨院でございます。